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パーソナルデータ利活用の未来を考えるメディア

2019-01-01から1年間の記事一覧

デジタルIDの変遷 中央集権型IDから自己主権型ID(SSI)まで

近年、デジタルIDの未来として「Self-Sovereign Identity(自己主権型ID)」への注目が集まっている。 一方、未来を考えるためには、歴史についても知っておく必要がある。そもそもデジタルIDはどのような変化を遂げてきたのだろうか。 当記事では、Chrisoph…

デジタルID「Yoti」によるID証明の仕組みと導入事例、P2P取引への利用も

オンライン・オフライン問わず、「私」の証明にはまだまだ課題が多くある。 たとえば、コンビニでお酒やタバコを購入する際に、年齢証明のために自動車免許証などの物理的なカードを見せなければならなかったり、オンラインではそもそもお互いを信頼すること…

Christopher Allen 氏が唱える SSI(自己主権型アイデンティティ)10個の原則

Self-Sovereign Identity(自己主権型アイデンティティ)の領域で調べ物をしていると、Christopher Allen 氏の資料に当たることも多いだろう。 Christopher Allen 氏は、元々 SSL や TLS といったインターネットにおけるセキュリティの領域の専門家で、現在…

SSI(自己主権型ID)とは?デジタル時代にSSIが求められる背景と仕組み

「SSI (Self-Sovereign Identity )」あるいは「自己主権型アイデンティティ」という言葉を聞いたことがあるだろうか? 「SSI」や「DID(分散ID)」というワードを耳にしたことはあるけれど、その仕組みや背景についてさらに詳しく知りたいという方も多いこと…

オンライン取引の信用証明書「MyRate」の仕組みと今後の可能性

メルカリやスペースマーケット、ミンネなどオンラインにおけるC2C取引は、近年急増しており、今後もさらに伸びていくことが予想されている。 顔も見たこともないような人とオンラインで取引をするとなった時、あなたはどのようにその相手を信用するだろうか…

ヤフースコアはなぜ炎上したのか?求められるデータ個人主権の考え方

ヤフーによる独自のスコア「Yahoo!スコア(ヤフースコア)」の外部提供開始のプレスリリースを受けて、一部の有識者やメディアから批判的なコメントが相次ぎ、炎上騒ぎにまで発展した。 なぜ今回の炎上は起きてしまったのか? 実際に問題となったのはどのよ…

中国発の火鍋店「海底撈(ハイディーラオ)」数字分析|AIやディープラーニングの利用も

前回の記事では、深センの海底撈(ハイディーラオ)を訪れた経験を元に、その「体験性」について解説してきた。 本記事では、そんな海底撈(ハイディーラオ)の売上や店舗数、人件費などの「数字」部分にフォーカスしていくことで、さらに理解を深めていけれ…

火鍋専門店ハイディーラオ(海底撈)は「飲食界のディズニーランド」【深セン訪問レポ】

海底撈(ハイディーラオ)という火鍋専門店をご存知だろうか? 中国には400店舗以上、中国以外の国にも6カ国26店舗を展開している人気店だ。 海底撈(ハイディーラオ)が流行っている理由はいくつかあるが、その中でも特にユニークなのは、その「体験性」だ…

中国深セン旅行の準備【航空券・ホテル・アプリ・決済まとめ】

本日から中国の深センへ行ってくるのだが、初めての中国ということもあり、色々と準備では分からないことも多かった。 そんな中、中国在住の友人や、最近中国に行ってきた友人から色々とアドバイスをもらい、なんとか準備が整った(はず)。 というわけで、…

ニューリテールは小売の最終形態なのか?ニューリテールの過去と未来

昨日、『新・小売革命 中国発ニューリテールとは?』の著者である劉潤氏の特別講演が二子玉川の蔦屋家電にて開催された。 講演の内容としては基本的に本の内容をベースにしたものであったが、Q&Aにて「ニューリテールは小売の最終形態なのか?」という問いに…

Appleの新広告計測技術「Privacy Preserving Ad Click Attribution」の仕組みと影響

Apple は、現地時間5月22日に「Privacy Preserving Ad Click Attribution(プライバシー保護型広告クリックアトリビューション)」という新たな広告計測技術を発表した。 webkit.org Privacy Preserving Ad Click Attribution では、クロスサイトでユーザー…

シャオミが Mi Ecosystem を作った理由とエコシステムの3つのレイヤー構造

昨日のシャオミの「Mi Ecosystem」によるインキュベート戦略に続いて、今日は以下の2点について解説していこう。 シャオミがなぜ Mi Ecosystem という形を取ることにしたのか Mi Ecosystem の投資先の3つのレイヤー構造 前回記事では、Mi Ecosystem の仕組み…

シャオミ躍進の立役者「Mi Ecosystem」によるインキュベーション戦略

シャオミは、今やスマホメーカーだけではなく、様々なスマート家電を提供するIoTプラットフォームカンパニーだ。 2010年に創業し、中国のスマホ化の波に乗り2013年時点では1.5億人のユーザーを抱えるまでに成長。 そして、今、シャオミはその起源であるスマ…

【MyData Japan 2019】GDPR・MyData・情報銀行の関係性

2019年5月15日、MyData Japan 2019 が開催された。 2017年、2018年に次ぐ第3回となる MyData Japan のカンファレンスには、総勢約500人が集まり、パーソナルデータ領域への関心の高まりが伺える結果となった。 今回の MyData Japan 2019 で話題になったテー…

『新・小売革命』- 情報流・金流・物流からみえる中国発ニューリテールとは?

小売やマーケティングの未来を考える上で、中国のニューリテールの事例は、まさに教科書のようなものだ。 中国では、アリババやジンドンを中心にEC領域における争いが本格化した後、2016年にジャック・マーが「今後10年、20年で、"eコマース"は消滅し、"ニュ…

中国で増加中の無人型店舗の可能性 ニューリテールの観点で分析

中国では、無人棚・無人スーパー・無人コンビニといった「無人型店舗」が急速に増えている。 ユニコーン企業である猩便利(ゴリラコンビニ)、新興の简24(Jian24)、フランス系のBINGO BOXなどは、日本のメディアでも目にすることがあるだろう。 これらの無…

ポイント還元対象キャッシュレス決済事業者 本登録完了58社まとめ

5月13日、10月からの増税による景気の冷え込み対策である、ポイント還元対象のキャッシュレス事業者が発表された。 4月の発表では「仮登録事業者」であったが、今回の発表では、「本登録」の事業者58社が公開されている。その中には、メルペイなど仮登録され…

メルカリでつい買ってしまう理由 メンタルアカウンティングの考え方

メルカリの売上金をついつい使ってしまう、、。 そんな方も多いのではないだろうか? 「元々はなかったお金だし使っちゃおう!」といった形で、普段スーパーで買い物をするときとは「別の尺度」となり、お財布の紐がゆるくなっているということだろう。 そん…

Nike Fit(ナイキフィット)- スマホでスキャン、ベストフィットな靴を

60%以上の人が靴のサイズを誤って購入してしまっている。 そんな課題を解決する画期的なサービスが、NIKE(ナイキ)により発表された。 その名も「Nike Fit(ナイキフィット)」。 Nike Fit(ナイキフィット)は、長さと幅だけでは足のサイズを測れないとい…

中国信用調査機関のハブ「百行征信(バイハンクレジット)」、唯一認可を得た企業の正体とは?

中国の信用スコアといえば、アリババ系列の「芝麻信用」が有名だ。 しかし、中国人民銀行が信用調査業務のライセンスを公布した唯一の企業は、その芝麻信用ではなく、「百行征信(バイハンクレジット / 略称:信聯)」という企業である。 百行征信(信聯)と…

個人情報に関する企業の炎上事件から学ぶべきこと【傾向と対策】

個人情報に関する炎上事件には、それぞれ理由がある。 その中には、「違法」ではないけれども「炎上」することになったものもある。 違法ではなかったら何がいけなかったのだろうか? 本記事では、代表的な事例として、JR東日本(Suica)、Japan Taxi(フリ…

Jスコア「情報銀行」認定取得へ 信用スコア関連企業として初の事例となるか

日経新聞の報道によると、ソフトバンクとみずほ銀行の合弁会社で信用スコアサービスを提供するJ.Score(Jスコア)が、情報銀行認定取得に向けて動いていくことが分かった1。 信用スコア提供事業者で情報銀行取得への動きが明らかになったのは、Jスコアが初の…

信用スコアの本質は、インセンティブ設計と信用のプラットフォームにある

「信用スコア」は魔法の言葉のように使われることも多々ある。 「ビッグデータを活用して信用をスコアリングする」という仕組みは、たしかに先進的で魅力的に映る。 ただ、その本質は何かと考えたときに、信用のスコアリングそのものに注目が集まりすぎてい…

忘れられる権利・データポータビリティ意識調査 8割超がデータ削除サービス希望

忘れられる権利やデータポータビリティは世の中一般では求められているのだろうか? 総務省が19年3月に行った調査によると、「簡単にデータを削除できるサービス」を8割以上の消費者が求めているなど、興味深いデータが明らかになった。 本記事では、その総…

プラットフォーマー規制法案 データポータビリティの実現なるか?

グーグルやアマゾンを中心としたデジタルプラットフォーマーへの規制のあり方についての議論が活発化している。 経産省、総務省、公正取引委員会による「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」では、「データの移転・開放等のあり…

Tポイントデータによる恋愛婚活マッチングサービス「D-AI(デアイ)」6月下旬リリースへ

Tポイントデータを活用した「恋愛・婚活マッチングサービス」という面白い領域のサービスが発表された。 恋愛マッチングアプリ市場は大きく伸びており、Pairs やタップル誕生といったアプリの会員数はうなぎのぼりで増えている。 その中で、Tポイント等のデ…

2020年の個人情報保護法の見直しに向けた中間整理を読んでみた

2017年5月に施行された改正個人情報保護法。 同法では、個人情報を取り巻く世の中の流れは数年のうちに変化することが予想されるため、3年毎に「見直し」をすることが記載されている。 つまり、翌年の2020年にはその見直し案が施行されることになる。 その見…

シンガポールDBS銀行のデジタルバンク化はなぜ成功したのか?

シンガポールの「DBS銀行」をご存知だろうか? DBS銀行は、「デジタルバンク」の成功例として世界屈指の実績を残していることで、今世界中で注目されている。 金融専門情報誌「ユーロマネー」の World's Best Digital bank の称号を2016年と2018年の2度にわ…

要配慮個人情報とは?定義と該当する11のカテゴリーを整理

2017年5月に施行された改正個人情報保護法では、「要配慮個人情報」という新しい言葉が定義された。 以前から、JIS Q 150001では「特定の機微な個人情報」という言葉はあったが、個人情報保護法にて新たに「要配慮個人情報」として明文化されることになった…

【おすすめ本】これからの「信用」について考えるための書籍5選

「信用」は2019年、ホットなテーマとなりそうだ。 ドコモ・ヤフー・LINEといった大手企業の信用スコア市場への参入、シェアリングエコノミーに代表される新たな取引形態の普及もその流れを後押ししている。 本記事では、そんな「信用」について学ぶ上で、お…