ブロックチェーンによる分散型IDを提供する Bloom が25万IDを突破したことを発表した1。
昨年8月のリリース以来、利用ユーザーは急ピッチで増えており、Bloom のトランザクションは Ethereum ネットワークの2.5%を占めるまでになっている2という。
Bloom では、「BloomID」、「BloomIQ」、「BloomScore」の3つのサービスを提供すると発表している(詳しくは以下の記事を)
そのうち、現在提供されているのは、「Bloom ID」というグローバルで利用可能な分散型IDサービスとなっている。
まずは、ID管理サービスを提供し、データが蓄積されてきたところで独自のクレジットスコアサービスも展開していくというロードマップになっているのだろう。
現在は、iOSアプリのみ提供されており、Androidアプリについては近々リリースされるとのことだ。
ここで、画面キャプチャと共に、Bloomアプリでできることを簡単に見てみよう。
上の画像は、Bloomの iOS アプリのキャプチャである。
2枚目の画像のように、SNSのデータ連携や、Sanction Screening(制裁審査、名前とEメールアドレスで行う)をすることで、グローバルで利用可能な自身のIDを作ることができる。
そして、3枚目の画像のように、「Market」では自身のデータを利用することで個人融資に申請することができるようになっている3。
つまり、ユーザーとしては、自身のデータを自身の同意のもと連携させることで BloomID をつくることができ、金融機関に対してはデータそのものではなく BloomID を提供すればよいということになる。
そうすることで、個人情報の漏洩リスクを最小限に抑えることができるわけだ。
前述の「BloomIQ」はデータ蓄積基盤、「BloomScore」は信用スコアのサービスとなっており、今後はBloom自身が連携されたデータを分析し信用スコアリングをしていくことになりそうだ。
現在は、外部の金融機関にデータを提供することで個人融資を実現しているが、今後、P2Pのレンディングサービスも拡充していくと、さらにプラットフォームとして面白くなっていきそうだ。
Dapps(分散型アプリケーション)はまだ成功事例が少ないとも言われている。
そのような中、Bloomのように、最初から全てのビジネス工程を Dapps で実現するのではなく、現実的なところ(ID部分のみ)からブロックチェーンにより実装していくような手法は参考になりそうだ。
分散型アプリケーションの代表例として、パーソナルデータのプラットフォームとして、Bloom には今後も注目していきたい。
Bloomについての詳細はこちらの記事をご確認ください。
また、ブロックチェーンによる分散型IDとしては、COLENDI も面白いのでぜひセットでご確認ください。
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3枚目のキャプチャは2019年2月7日時点のもの。2019年3月10日時点では「Market」のタブが消えており利用が制限されている。↩