dataway

パーソナルデータ利活用の未来を考えるメディア

「完全キャッシュレス店舗」国内事例まとめ。上島珈琲、プロント等参入続々と

f:id:show_motto:20190312092044p:plain

お支払いは「キャッシュレス決済のみ」という「完全キャッシュレス店舗」が国内でも増えてきた。

昨年末に、てんや、プロントがそれぞれ一店舗にて実験を始めたほか、2019年に入り、上島珈琲も完全キャッシュレス店舗を開始している。

さらに、楽天がスポンサーを務めるヴィッセル神戸や楽天イーグルスでも、スタジアム内の決済を「完全キャッシュレス化」すると発表している。

本記事では、各完全キャッシュレス店舗の事例についての紹介と、完全キャッシュレス化のメリットについて考えていきたい。

続々と登場する完全キャッシュレス店舗

冒頭でも述べたように、完全キャッシュレス店舗は国内でも続々と増えてきている。代表的なものでは、以下のような企業(ブランド)が参入を開始あるいは発表している。

  • てんや「大江戸てんや 浅草雷門店」
  • プロント「カフェ&バープロント二重橋スクエア店」
  • 上島珈琲「大手町フィナンシャルシティ店」
  • クラスメソッド「Developers.IO CAFE」
  • ヴィッセル神戸「ノエビアスタジアム神戸」
  • 楽天イーグルス「楽天生命パーク宮城」

それぞれの完全キャッシュレス店舗について、簡単に解説していこう。

てんや「大江戸てんや 浅草雷門店」

f:id:show_motto:20190312092608p:plain

てんやを運営するテンコーポレーションは、2018年10月2日より、浅草雷門店を完全キャッシュレス店舗としてリニューアルオープンしている。

この店舗の特徴は、場所柄、訪日外国人のお客さんが9割を占める1ということだ。

そこで、完全キャッシュレス化だけでなく、多言語対応タブレットによるセルフレジにも対応しており、近代的な店舗となっている。

www.itmedia.co.jp

プロント「カフェ&バープロント二重橋スクエア店」

f:id:show_motto:20190312092833p:plain

プロントでは、二重橋スクエアの地下一階にある「カフェ&バープロント二重橋スクエア店」を2018年11月8日に完全キャッシュレス店舗としてオープンしている。

同社は、深刻な人手不足から完全キャッシュレス化に活路を見出しているという。

2020年までに30店の完全キャッシュレス店舗の出店を目指している。

prtimes.jp

上島珈琲「大手町フィナンシャルシティ店」

f:id:show_motto:20190312092946p:plain

上島珈琲では、大手町フィナンシャルシティ店を2018年2月1日から完全キャッシュレス店舗としている。

f:id:show_motto:20190312093107p:plain

同社では、モバイルオーダー&ペイプラットフォームの「O:der(オーダー)」を導入しており、「O:der」アプリで事前注文をして店舗で受け取ることができる。

prtimes.jp

クラスメソッド「Developers.IO CAFE」

f:id:show_motto:20190312091058p:plain

クラスメソッドは、ウェブ業界の人に馴染み深い企業であるが、AWS(Amazonのクラウドサービス)の導入や、「Developer.IO」という技術系メディアを展開している企業だ。

今までの企業とは一風変わった業界からの参入といえるだろう。

クラスメソッドでは、「Developer.IO CAFE」という完全キャッシュレス店舗を2019年2月12日より秋葉原でオープンしている。

同店舗は、完全キャッシュレス化のほか、「事前オーダー」や「センサーを活用した物販のウォークスルー決済」にも対応し、まさに技術を活用した店舗体験の実験的な立ち位置といえるだろう。

classmethod.jp

ヴィッセル神戸「ノエビアスタジアム神戸」

f:id:show_motto:20190312093242j:plain

ヴィッセル神戸は、J1のサッカークラブで、元スペイン代表のイニエスタ選手やビジャ選手、元ドイツ代表のポドルスキー選手などの世界を代表するタレントが揃っていることでも注目されている。

ヴィッセル神戸では、スポンサーの楽天の支援のもと、ホームスタジアムの「ノエビアスタジアム神戸」において、ホームゲームの際の飲食や物販を完全キャッシュレス化している。

完全キャッシュレス化の専用ページもある。 www.vissel-kobe.co.jp

サッカー観戦に行ったことのある方は分かると思うが、スタジアム内では長蛇の列ができることが恒例である。そのような課題を解決してくれるとなると、一人のサッカーファンとしては嬉しいものだ。

楽天イーグルス「楽天生命パーク宮城」

f:id:show_motto:20190312093324p:plain

楽天イーグルスについても、ヴィッセル神戸と同様に、スポンサーである楽天の支援のもと、完全キャッシュレス化へ動いている。

ホームスタジアムである「楽天生命パーク宮城」において、ホームゲームの際には飲食や物販が全てキャッシュレス決済のみの対応となる。

キャッシュレス決済のうち、楽天のQR決済である「楽天ペイ」の利用で、ビールやソフトドリンクは100円引き、グッズは10%ポイントバックといったサービスも行っている。

www.rakuteneagles.jp

まとめ

本記事では、「完全キャッシュレス」を発表している店舗やプロスポーツチームを紹介してきた。

キャッシュレス決済だけでなく、上島珈琲や Developers.IO CAFE のように事前注文のサービスもあると、さらに効率化が進み、より快適なユーザー体験が実現できそうだ。

隣国中国では、「Luckin Coffee(ラッキンコーヒー)」という新興のコーヒーチェーンが、2018年1月の第一号店のオープンから8月には630店舗まで拡大している。彼らの躍進の背景には、アプリによる事前注文と事前決済がある。

「O:der」のようなプラットフォーマーとなるサービスも出てきており、この領域は今後さらに注目が集まっていきそうだ。