日経新聞の報道によると、ソフトバンクとみずほ銀行の合弁会社で信用スコアサービスを提供するJ.Score(Jスコア)が、情報銀行認定取得に向けて動いていくことが分かった1。
信用スコア提供事業者で情報銀行取得への動きが明らかになったのは、Jスコアが初の事例となる。
本記事では、そんなJスコアの情報銀行事業について、解説していこう。
Jスコアで情報銀行で実現すること
Jスコアでは、ユーザーの入力データやソフトバンクやヤフーとのデータ連携により、各ユーザーに「信用スコア」を算出している。
その信用スコアを元に、スコアに応じた条件の無担保融資や、6段階で設けられているランクに応じた特典を提供している。
Jスコアについて詳しくはこちら。 www.dappsway.com
そのJスコアが情報銀行認定を取得して何を行おうとしているのだろうか?
冒頭の記事から引用すると、以下のような記述がある。
顧客がスコアの外部提供に同意すれば、現金や電子マネーの提供のほか、金利の引き下げなどで優遇する。
このように、Jスコアは、情報銀行の認定を取得することで、個人の同意のもとスコアを外部企業へ提供し、その対価として現金や電子マネー、さらには金利の引き下げを検討しているようだ。
これまでもスコアのランクに応じた特典を提供することはあったが、対価は提供先企業からの特典そのものであった。今回の話では、対価が金銭的に設けられることで、提供先の選択肢も一気に広がることが予想される。
Jスコアの利用者は60万人にのぼる。金融庁と可能性を協議し、早ければ19年度末にも実現したい考えだ。
Jスコアでは、情報銀行認定を19年度末にも実現したいという意向とのことだ。
信用スコアを自社で作成し他社に展開するパターン
信用スコアと情報銀行のあり方については、総務省の金融データWGでも議論されていた。
以前3つのパターンとして紹介したが、今回のケースはそのうちの1つにあたる。
このように、「信用スコアの元となるデータ」を収集し、データをスコアリングに利用、その信用スコアを情報先提供事業者に提供するというモデルだ。
現在、「信用スコアの元となるデータ」としては、Jスコアの関連会社であるソフトバンク系列のデータ(ソフトバンクキャリアの支払いデータやヤフーの利用データ等)が使われている。
今後、情報銀行認定取得と合わせて、その他のデータを活用していくこともあるかもしれない。