メルカリやスペースマーケット、ミンネなどオンラインにおけるC2C取引は、近年急増しており、今後もさらに伸びていくことが予想されている。
顔も見たこともないような人とオンラインで取引をするとなった時、あなたはどのようにその相手を信用するだろうか?
そのような課題を解決するために、オンラインのユーザー間取引における信用証明書を作ろうというサービスが「MyRate」である。
本記事では、そんな MyRate の仕組み、MyRate の生まれた背景、利用方法、今後の展開可能性について解説していこう。
- MyRate(マイレート)とは?
- MyRate が生まれた背景
- MyRate の利用方法
- MyRate が現在連携中のサービス
- 「MyRate ログイン」の提供開始へ
- MyRate の持つ「不正への抑止力の価値」
- まとめ
MyRate(マイレート)とは?
MyRate(マイレート)は、一言でいうと、「個人間のオンライン取引における信用情報蓄積サービス」だ。
具体的には、KYC情報に加え、各連携サービスにおける取引履歴やレビューのデータを集約する。
そして、その集約したデータを元に、独自のアルゴリズムで5段階(プラチナ→ゴールド→シルバー→ブロンズ→ビギナー)で評価をする仕組みとなっている。
MyRate の利用ユーザーは、自らのユニークなURLとパスワードをセットで生成することができるため、自らの信用情報を提供したい相手にだけ共有することができる。
これが MyRate(マイレート)の全体像である。
ちなみに、本サービスは、N-Village という野村グループの新規ビジネス創出のためのグループ会社が運営している。
MyRate が生まれた背景
MyRate が生まれた背景として、個人間のオンライン取引の急速な増加が挙げられる。
オンライン取引は便利である一方で、一部の悪質なユーザーがいたり、やはりまだ個人間取引はまだ不安であるという人も多くいる。
それを解決する1つの手段として、各サービスにおける信用情報(レビューや取引履歴)を1箇所にまとめることで、取引相手を信用する手助けをしようというのが「MyRate(マイレート)」である。
また、このようなサービスがあることで、あるサービスで悪さをした場合に、他のサービスにおいても不便を被ることから、不正を抑制するようなインセンティブも働くことが考えられる。
このような観点から、MyRate(マイレート)は、急速に広まる個人間のオンライン取引を安心安全に行うための信用情報のハブと捉えることができるだろう。
MyRate の利用方法
MyRate の利用方法はシンプルだ。
このように、まず「MyRateに身分証明書や電話番号、すでにお使いのサービスの信用情報を登録」する。
そうすると、以下の画像のように、連携中のサービス及びKYCと、そのデータを元に計算された「ランク」が表示される。
私の場合は、おそらくヤフオク!を利用したことがないため、最低ランクの「ビギナー」と表示されている。
あとは、この MyRate ページのURLをパスワードと共に共有するだけで、簡単に信用情報を共有することができる。
MyRate が現在連携中のサービス
MyRate では、2019年6月現在、以下の6サービスと連携している。
- ヤフオク!:個人間オークション
- coconala(ココナラ):スキルのフリマ
- Anyca(エニカ):自動車C2Cレンタル
- notteco(ノッテコ):C2Cの相乗り
- Spacemarket(スペースマーケット):C2Cスペースレンタル
- minne(ミンネ):C2Cハンドメイド商品売買
いわゆるシェアリングエコノミーと呼ばれるサービス達だ。
「MyRate ログイン」の提供開始へ
MyRate は、2019年7月11日より利用規約を改定すると発表した。そして、その理由として、「MyRateログイン」の機能追加をあげた。
外部サービスにおいてMyRateアカウントを使用したログイン(MyRateログイン)を行うことができる機能を追加するため
これは、MyRate がシェアリングエコノミーサービスにおける信用情報のハブとなっていく上で、非常に重要な一手である。
これまでは、データの連携においても信用情報の共有においても、それぞれ利用ユーザーのアクションを必要としていた。この状態では、どうしてもスケールしにくい。
そこに、「MyRate ログイン」ができることで、「データの連携及び信用情報の共有」がボタン1つで完結するようになる。
これは、ユーザー体験の上で大きな改善であり、ハブとして機能していくためには欠かせない機能であるといえるだろう。逆に言えば、スタートラインに立ったところともいえる。
MyRate の持つ「不正への抑止力の価値」
個人的に MyRate に価値を感じているのは、その「不正への抑止力の価値」である。
MyRate では、電話番号や身分証明書と紐付ける形でデータが集約されている。
そうすると、もし「MyRate ログイン」で利用中のサービスで不正を行った場合に、新たにアカウントを作成しようとしても電話番号や身分証明書が必要となるため、その不正ユーザーは不便を被るようになる。
中国の芝麻信用が機能しているのも、結局このようなインセンティブ設計による抑止力によるところが大きい。
オンライン取引においても、その人がすごく良いサービスをしてくれるということよりも、その人が不正を行わないユーザーであることの方が大事なケースが多いのではないだろうか。
そう考えると、この「不正への抑止力の価値」は、MyRate においてコアとなってくるとも思える。
まとめ
本記事では、MyRate(マイレート)の仕組み、利用方法、連携中のサービス、そして不正の抑止力という価値について解説してきた。
不正抑止のインセンティブ設計は、MyRateログインの連携サービスが増えれば増えるほど強く機能するようになるため、MyRate の連携サービスが増えてくることに期待したい。