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テーブルチェックの信用スコア「TableCheckカスタマースコア」は飲食店特化型信用スコア

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TableCheck(テーブルチェック)による信用スコア「TableCheckカスタマースコア」は、飲食店利用ユーザーの評価を可視化した信用スコアだ。

一般的に知られている「信用スコア」に対して、「飲食店利用」と用途を限定した「バーティカルな信用スコア」と捉えることができる。

このようなバーティカル信用スコアも今後増えてくるのだろうか?

本記事では、TableCheck(テーブルチェック)による信用スコア「TableCheckカスタマースコア」の解説と、バーティカルな信用スコアという領域について考えていきたい。

TableCheck(テーブルチェック)社とは?

「TableCheckカスタマースコア」の構想を発表した「TableCheck」という会社自体を知らない方もいらっしゃるだろう。

簡単に説明をすると、テーブルチェック社は、飲食店向けの予約サービスを提供している企業だ。

以下の2つのサービスを展開している。それぞれ、飲食店向けとユーザー向けのサービスで、両者をあわせて1つのサービスということもできる。

  • TableSolution(飲食店向け予約顧客管理システム)
  • TableCheck(予約サービス)

消費者としては、テーブルチェックの予約サービスは知らぬ間に利用したことがある人も多いかもしれない。筆者も都内のレストランを予約する際にたまに利用することがある。

TableSolution は、日本発のサービスながら、現在世界17カ国の約3,100の飲食店で導入されるというグローバル展開も果たしている。

「TableCheckカスタマースコア」とは?

そのような、テーブルチェック社の飲食店予約システムのアセットを活用して取り組むのが、「TableCheckカスタマースコア」である。

TableCheckカスタマースコアでは、実際に来店した店舗からの評価や利用実績をもとにスコアリングを行う構想だ。

TableCheckカスタマースコアの概要
TableCheckカスタマースコアの概要

そこには、今までレストランが一方的にレビューされていたが、この信用スコアを通して、飲食店と利用者の間にフェアな関係性を創出し、マナーのよい利用者(信用スコアの高い利用者)には、これまで以上に快適なレストラン体験を届けようという狙いがある。

また、解決したい課題として、飲食店では「無断キャンセル」や「ノーショー問題」がある。予約者がお店に現れなかった場合に、今の仕組みでは飲食店が泣き寝入りをするしかない。

そのような課題に対して、「TableCheckカスタマースコア」の導入により、「無断キャンセル」や「ノーショー」を行った利用者には、ペナルティーとしてスコアリングを大幅に下げ、今後 TableCheck 経由での予約がしづらくなるといった制裁を加えることができる。

そうすることで、無断キャンセルのハードルを高くしてあげることで、キャンセルの場合にはきちんと事前に連絡をするように促すことができるわけだ。

TableCheckカスタマースコアの利用データは?

では、実際にどのようなデータを元に「TableCheckカスタマースコア」のスコアリングをするのだろうか?

同社のプレスリリース1によると、以下のようなデータを利用するようだ。

TableCheckカスタマースコアの利用データ
TableCheckカスタマースコアの利用データ

  • 飲食店保有データ
    • RFM(利用頻度や支払金額)
    • キャンセル率
    • その他の行動
    • お店からの評価
  • その他のスコア
    • 外部企業からの提供データ

基本的には、テーブルチェック社の保有している飲食店のデータを元にしている。ユニークな店としては、各店舗からの評価がある点だろう。

また、外部企業からの提供データについては、詳細は分からないが、たとえば食べログやRettyなどで好意的な(適切な)レビューををしている方には、ポジティブなスコアリングをしてあげるといった連携も面白いだろう。

バーティカルな信用スコアについて

テーブルチェック社による「TableCheckカスタマースコア」は、飲食店の予約システムを長年やってきた同社だからこその信用スコアサービスだといえる。

そのため、解決しようとしている課題やポジショニングも明確だ。

このような「バーティカルな信用スコア」については、たとえば、中国ではシェアバイクの「ofo」というユニコーン企業が、自社の信用スコアをリリースしていたりする。

一般的な信用スコアでは表現しきれない業界やサービス特化の信用の表現の仕方はあるはずなので、このような動きには納得である。

一方で、個社で信用スコアをやる場合には、十分なデータ量とスコアリング精度を担保できるのかというのが課題だ。

この課題を解決できるようなソリューションは、今後増えてくるだろう。

たとえば、データ量という意味では「情報銀行」であったり、スコアリング精度では Scoring-as-a-Service のようなスコアリングアルゴリズムを SaaS 提供するといった方法が考えられる。

テーブルチェック社の「TableCheckカスタマースコア」は、そのようなバーティカルな信用スコアの1つとしても、注目していきたい。

テーブルチェックが飲食店利用ユーザーに限定したように、バーティカルな信用スコアという領域もこれから色々と出てくるかもしれない。