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【図解】アメリカFICOの新たな信用スコア「UltraFICO」とは?

FICOによる新たな信用スコア「UltraFICO」
FICOによる新たな信用スコア「UltraFICO」

米国では、FICO社による「FICOスコア」という信用スコア(クレジットスコア)がシェアの90%を占めている。

そんなFICOが「UltraFICO」という新たな信用スコアを考案しており、2019年中にリリースを予定しているという1

果たして、UltraFICO はどのような信用スコアなのだろうか?

本記事では、UltraFICOの概要や利用するデータ、既存のFICOとUltraFICOの違いについて迫っていこう。

UltraFICOスコアの概要

まず、UltraFICOの概要についてみていこう。

UltraFICOスコアは、簡単にいうと、「FICOスコアを補完するサブ的な信用スコア」である。

FICOスコアが作られたのは1989年ということで、すでに30年前。そのようなFICOスコアではカバーしきれない部分が出てくる。UltraFICO はそこを補完する役割を担っているわけだ。

UltraFICOは、FICO(The Fair Issac Corporation)、Experian、Finicityの3社のパートナーシップにより作成されている。

UltraFICOは、FICO、Experian、Finicityの3社のパートナーシップにより作られた
UltraFICOは、FICO、Experian、Finicityの3社のパートナーシップにより作られた

FICOはFICOスコアのモデリングをしている企業、Experianは米国の3大信用調査機関のうちの1つ、Finicityは消費者が金融機関にデータ提供を行うシステム等を提供しているFinTech企業だ。

これら3社の協力により、FICOスコアをアップデートしようというわけである。

FICOスコアにおける課題

では、既存の「FICOスコア」にはどのような課題があるのだろうか?

FICOの課題
FICOの課題

FICOによると、アメリカ国民のうち、7900万人がFICOスコアで680以下に分類されている。彼らはサブプライム層とよばれ、いわゆる「要注意顧客」という位置づけだ。

さらに、5300万人はクレジットスコアの算出をするのに十分な信用情報がない(unscored)という状況だ。

この主な要因は、FICOのスコアリングでは、最低6ヶ月のクレジットヒストリーを要することにある。

このように「FICOスコア」においてサブプライムに分類されたり、あるいはスコアの算出すらできない層になると、住宅おローンや学生ローン、自動車ローンなどの各種ローンの利用が難しくなってしまう。

そうして、高金利のローンに手を出してしまい、高額の利子を搾取されてしまう。

これは米国において、大きな社会的課題である。

UltraFICOとFICOの違い

そんなFICOスコアの課題を解決すべく、考案されているのが「UltraFICO」である。

UltraFICOには主に2つの役割がある。

  • スコアが500〜600台のもう少しでサブプライムを抜け出せる層のスコアをブーストすること
  • 信用情報が不足しておりFICOスコアを算出できない人をスコアリングすること

FICOスコアとUltraFICOスコアの関係性を示すと、下図のようになる。

FICOとUltraFICOの関係性
FICOとUltraFICOの関係性

青枠部分がサブプライムからのブースト、緑枠部分がスコアのない人へのスコア算出を示している。

このように、UltraFICOのスコアによって、FICOスコアで評価しきれていない人にもチャンスを与えることができるわけだ。

UltraFICOの利用データは?

では、UltraFICOはそのようなスコアリングをどのように実現しているのだろうか?

UltraFICOでは、通常のFICOでは利用していないデータを利用している。

具体的には、当座預金口座、貯金口座、金融市場預金勘定(MMA)のデータを提供できるようになっている。

これらのデータの中から、主に以下のような項目を元にスコアリングが行われる。

  • 口座を開設してからの時間
  • 口座利用の頻度
  • 直近の借越履歴
  • アカウントバランス

FICOではクレジットヒストリーを元にスコアリングが行われているが、UltraFICOでは各種口座におけるお金の管理についてみることで、スコアリングを行っているというわけだ。

UltraFICOの利用方法・対象者

UltraFICOはその性質上、全ての人が利用できるものではない。

ローンの申請で却下された場合に、金融機関からオプションとして UltraFICO のスコアリングを示されるといった導線があるという。

また、信用調査機関としては、3大調査機関のうちExperianのみがパートナーとなっているため、貸し手側が Experian を利用している必要がある。

貸し手がEquifaxやTransUnionを利用している場合には、対応を待つ必要がある。

まとめ

スタートアップなどの新興企業や別の業界の企業が信用スコア領域に参入する例が多く見られるなか、アメリカでは FICO が新規のスコアを開発してきた。

とはいえ、利用データとしては、口座データということで、それほど新規性があるわけではない。

UltraFICO により、どれほどの割合の人の信用スコアが向上するのか、注目である。

またアップデート情報があれば、補足していきたい。

↓関連で、FICOスコアとVantageScoreという信用スコアについて。 www.dappsway.com